家の購入費用を年収別に解説!無理なく買える理想の物件価格は?

家の購入費用を年収別に解説!無理なく買える理想の物件価格は?

家を購入する際は、ローン返済のために生活レベルが下がって後悔しないよう、年収と物件価格のバランスをとることが重要です。

この記事では、住宅購入費用の考え方を紹介し、無理なく返済できる住宅ローン金額を年収別にシミュレーションします。

借入金額を決める際に見落としがちな点についても解説しますので、ご自身の購入物件を決める際の参考にしてください。

家の購入費用に関する基本知識

まずは参考までに、住宅購入者の平均年収を見ておきましょう。併せて、年収と購入物件価格を比較する際の目安となる「年収倍率」と「年間返済率」について解説します。

家を購入している人の平均年収は?

「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、住宅購入者の世帯年収は650万円~950万円程度です。

調査結果を購入対象の物件種類別にみると、注文住宅購入者の平均年収は、全国を対象とした結果で801万円、三大都市圏で896万円となっています。

また三大都市圏において、新築の建売住宅や分譲目的で建築された戸建て住宅の購入者の平均年収は750万円、分譲集合住宅(新築マンション)購入者では960万円です。中古の場合、戸建て住宅購入者の平均年収は752万円、集合住宅(中古マンション)では657万円となっています。

さらにこの報告書を見ると、注文住宅の購入者は全国・三大都市圏ともに、年収600万円~800万円未満の層が多いことがわかります。年収400万未満の層も1割程度見られました。

なお、この調査における「年収」は、世帯全員の合計値です。世帯員のうち夫婦2人が就労している場合は、2人の年収を足したものとなっています。

参照:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」

家を購入するなら年収の何倍まで?

家の購入費用として使える資金は、基本的に頭金と住宅ローンです。購入できる物件の価格は、頭金として自己資金をいくら準備するか、住宅ローンをいくら借りるかによって決まります。

実際には頭金なし、もしくは頭金が物件価格の1割未満と少ないケースも多いため、住宅ローンの借入額が購入可能な物件価格を決定するといえるでしょう。

住宅購入価格または住宅ローン借入額を年収で割った数値は「年収倍率」と呼ばれ、一般的に、住宅ローンの借入額は年収の5~6倍が妥当とされています。

ただし、年収倍率は地域差や個人の生活状況などによって異なるため、あくまで目安と考えましょう。無理なく返済できる借入額は、このあと解説する「年間返済率」で考えると、より具体的にイメージできます。

また、物件購入予算の目安については以下の記事で解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

いくらの物件が買えるの? 予算の目安を確認する方法は?

適切な年間返済率は?

年間返済率とは、年間の住宅ローン返済額が年収に占める割合です。例えば、年収500万円で住宅ローンを毎月10万円ずつ返済する場合、以下のように計算されます。

(10万円×12ヵ月)÷500万円×100=24%

長い住宅ローン返済期間中には、資金計画どおりの家計運営が難しくなるおそれもあります。そのため、年間返済率の計算には、社会保険料や税金を差し引いた「手取り年収」を使いましょう。

なお、無理なく返済できる住宅ローンの年間返済率は、20~25%程度といわれています。

家の購入費用を年収別にシミュレーション

家の購入費用を年収別にシミュレーション
毎月の返済額がわかれば、住宅ローン返済が家計に与える影響をイメージしやすくなります。ここで、手取り年収300万円から700万円まで、100万円刻みで借入額と返済額をシミュレーションしてみましょう。

妥当とされる年収倍率が5~6倍であることから、年収の5倍借り入れるケースと6倍借り入れるケースを想定しています。

先述のとおり、頭金なしで購入するケースも多いため、住宅ローンの借入額を購入可能な物件価格だと考えてみてください。

なお、計算の前提条件は、住宅金融支援機構「フラット35」利用(返済期間35年、全期間固定金利)、金利1.7%、ボーナス返済なし、頭金なしです。

※返済額は、住宅金融支援機構フラット35ローンシミュレーションを使用

手取り年収300万円の場合

無理なく返済できるとされる年間返済率20~25%から導き出される年間返済額は、60万円~75万円です。

1,500万円の借り入れで毎月4.8万円の返済(返済率19.2%)となり、1,800万円の借り入れでは、毎月5.7万円の返済(返済率22.8%)となります。

(金額単位:万円)

年収倍率 5倍 6倍
借入額 1,500 1,800
返済額 1,992 2,390
月々の返済額 4.8 5.7
年間返済額 57.6 68.4
年間返済率 19.2% 22.8%

手取り年収400万円の場合

年間返済額は80万円~100万円が目安です。2,000万円の借り入れで毎月6.4万円の返済(返済率19.2%)、2,400万円の借り入れでは毎月7.6万円の返済(返済率22.8%)となります。

(金額単位:万円)

年収倍率 5倍 6倍
借入額 2,000 2,400
返済額 2,656 3,187
月々の返済額 6.4 7.6
年間返済額 76.8 91.2
年間返済率 19.2% 22.8%

手取り年収500万円の場合

年間返済額は100万円~125万円が目安です。2,500万円の借り入れで毎月8万円の返済(返済率19.2%)、3,000万円の借り入れでは毎月9.5万円の返済(返済率22.8%)となります。

(金額単位:万円)

年収倍率 5倍 6倍
借入額 2,500 3,000
返済額 3,319 3,983
月々の返済額 8 9.5
年間返済額 96 114
年間返済率 19.2% 22.8%

手取り年収600万円の場合

年間返済額は120万円~150万円が目安です。3,000万円の借り入れで毎月9.5万円の返済(返済率19.0%)、3,600万円の借り入れでは毎月11.4万円の返済(返済率22.8%)となります。

(金額単位:万円)

年収倍率 5倍 6倍
借入額 3,000 3,600
返済額 3,983 4,780
月々の返済額 9.5 11.4
年間返済額 114 136.8
年間返済率 19.0% 22.8%

手取り年収700万円の場合

年間返済額は140万円~175万円が目安です。3,500万円の借り入れで毎月11.1万円の返済(返済率19.0%)、4,200万円の借り入れでは毎月13.3万円の返済(返済率22.8%)となります。

(金額単位:万円)

年収倍率 5倍 6倍
借入額 3,500 4,200
返済額 4,647 5,576
月々の返済額 11.1 13.3
年間返済額 133.2 159.6
年間返済率 19.0% 22.8%

家を購入する際に注意すべき3つのポイント

家を購入する際に注意すべき3つのポイント
ここまで、住宅ローン借入額と年収の関係を中心に購入費用を見てきましたが、住宅購入を考える際には、それ以外にも注意点があります。

住宅ローン以外にも家の維持費がかかる

購入時に忘れがちなのが、住宅購入後の維持管理費用です。

住宅を所有している限り、定期的に固定資産税が課されます。さらに住宅が市街化区域内にある場合は、都市計画税の課税対象です。また集合住宅では、定期的に管理費・修繕積立金や駐車場代の支払いも発生します。

中古住宅は購入後にリフォームする場合が多いため、その代金を捻出できるようにしておくことも必要となるでしょう。

現に、前出の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」では、中古戸建て住宅購入者の約52%、中古集合住宅購入者の約37%が「購入後に自身でリフォームした」もしくは「1年以内にする予定である」と回答しています。

これらの費用も踏まえて、無理なく生活していける範囲で資金計画を立てることが大切です。

ボーナス返済はできないこともある

給与所得者であれば、住宅ローンを組む際に、毎月の返済に加えて年2回のボーナス月に一定額を加算して返済する「ボーナス返済」が利用できます。

ボーナス返済には、毎月の返済額を減らせる・返済期間が短縮できるなどのメリットがありますが、頼りすぎるのは危険だと認識したほうがよいでしょう。

勤め先にもよりますが、ボーナスが毎回支給されるとは限らず、想定よりも金額が少なくなることもあるからです。住宅ローンの長い返済期間中に、先般のコロナ禍のような不測の事態が起こらないとも言いきれません。

ボーナスに頼らず、月々返済できる額から借入金額を決めることを基本としましょう。

頭金は大きければ良いわけではない

住宅購入時には、頭金や諸費用(住宅ローン手数料、登記費用、不動産取得税、物件仲介手数料など)を現金での用意が必要です。頭金は物件代金の一部支払いであり、支払った入れた金額の分だけ住宅ローン借入額が少なくなります。

ただし、頭金の金額は大きければ良いというものではありません。貯蓄額に不相応なほど多く頭金を入れると、急な出費があった時に家計が耐えられなくなってしまいます。

したがって頭金の金額は、半年分の生活費を手もとに残すことを目安に調整するとよいでしょう。物件価格の3割ほどの自己資金を、頭金と諸費用に充てられると理想的です。

どうしても住宅資金が不足する場合には、頭金として親などから援助を受ける方法も考えられます。

頭金や親などからの資金援助については、以下の記事で解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

頭金が足りないと思う。それでも買えるの?どうやって増やせばよいの?

まとめ

家を購入する際には、年収倍率5~6倍を目安とし、年間返済率が20~25%程度になるように住宅ローンを借り入れると良いとされています。不測の事態に備え、無理のない資金計画が立てられる物件を選びましょう。

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記事の監修者:一誠商事編集部

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