マンション経営における売却タイミングはいつ?売却の流れや税金・費用なども解説

さまざまな理由により、経営しているマンションの売却を検討している方もいるのではないでしょうか。不動産投資を成功させるうえで、売却のタイミングを見極めることは重要なポイントです。
今回は、マンション経営における売却に適したタイミングや売却の流れ、売却価格相場の計算方法、売却時にかかる税金・費用について解説します。投資用マンションを高く売却するためのコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
【不動産経営】投資用マンションの売却に適したタイミング5つ
まずは、マンション経営における売却に適したタイミングを5つ紹介します。
価格相場が上昇している時
不動産の価格相場が上昇している時は、投資用マンションを売却するタイミングとして適しています。国土交通省の資料によると、2010年における不動産価格の平均値を100とした時、2025年2月におけるマンション(区分所有)の不動産価格指数は211.8でした。
マンションの価格は年々上昇傾向にあることを踏まえると、近年は投資用マンションの売り時ともいえる状況です。ただし、地域によって不動産価格の相場は異なる点には留意が必要です。
参考:国土交通省「不動産価格指数(令和7年2月・令和6年第4四半期分)を公表」
中古マンションの査定方法や流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
中古マンションの査定方法は?査定額の算出方法やポイント・査定の流れを詳しく解説
大規模修繕の前後
大規模修繕とは、マンションの資産価値の維持を目的に、経年劣化した建物・設備を定期的に修繕する工事のことです。一般に、大規模修繕工事は12年周期で行われるため、その前後のどちらのタイミングで売るかを慎重に検討する必要があります。
例えば、大規模修繕の前に売却するメリットとして、修繕積立金の値上がりなど買主側の将来的なコスト負担を軽減できるため、より高く売却できる可能性があることが挙げられます。また、工事終了まで待たずに済むため、現在の不動産価格相場から大きく変動するリスクを抑えられることもメリットです。
一方、大規模修繕後に売却するメリットには、マンションの外観・共用部分などが整備されて買主の購買意欲を高められることがあります。さらに、構造や設備に問題のない物件としてアピールでき、早期売却に結び付けられる可能性があることも利点といえるでしょう。
このように、大規模修繕の前後で売却するメリットはそれぞれ異なるため、自身が所有する物件の状態や不動産市場の動向などを踏まえて、売却時期を慎重に判断することが重要です。
大規模修繕を行う予定のマンションの売却タイミングについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
大規模修繕予定のマンション売却はいつがおすすめ?修繕費用の確認方法についても解説!
5年以上所有している時
不動産の譲渡所得に対する税金は所有期間が5年を超えると税率が下がるため、そのタイミングで投資用マンションを売却するのも手です。譲渡所得に課される税率は、所有期間に応じて以下のような違いがあります。
- 長期譲渡所得(所有期間5年超):20.315%(所得税:15.315%、住民税:5%)
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下):39.63%(所得税:30.63%、住民税:9%)
なお、課税譲渡所得金額は、以下の計算式で算出します。
【課税譲渡所得金額の計算式】
譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=課税譲渡所得金額
金利が低い時
一般に、金利が低い時期のほうが買い手のローンの返済負担が減るため、不動産を売却しやすいとされています。
ただし、現在は2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除したこともあって金利上昇が懸念されているため、今後の金利動向には注視する必要があります。とはいえ、立地条件の良い物件やマンション最上階の物件などは需要が高く、金利上昇の影響を受けにくいとされているので、所有物件の条件を踏まえて売却タイミングを探ることが大切です。
金利上昇が不動産投資に与えるリスク・影響については、以下の記事をぜひご覧ください。
金利上昇が不動産投資に与えるリスク・影響を解説!リスクを抑えた投資のコツも
耐用年数が終了する前
投資用マンションの耐用年数期間中は、減価償却費を分割して経費計上することが可能です。鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のマンションの耐用年数は47年で設定されていることから、この耐用年数が終了する前に売却を検討してもよいでしょう。
もし所有するマンションの耐用年数が過ぎて減価償却費を経費として計上できなくなると、税金の負担が増大する可能性があります。
経営しているマンションを売却する流れ
経営している投資用マンションを売却する流れは、以下のとおりです。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 不動産会社に売却活動を行ってもらう
- 買主と契約条件の交渉・売買契約の締結を行う
- 残金決済・引渡しを同時に行う
- 賃貸人の地位承継通知を行う
まずは、不動産会社に物件の価格査定を依頼しましょう。投資用マンションの売却実績が豊富な不動産会社を選べば、売却タイミングについても相談できます。
次に不動産会社と媒介契約を締結し、売却活動を行ってもらいます。投資用マンションを売却する際は、収益性や賃貸需要、節税効果などをアピールすることが大切です。
無事に買主が見つかったら契約条件を擦り合わせ、条件をまとめたうえで売買契約を締結します。このとき、物件価格の10%ほどの手付金を買主から受け取ります。その後、物件を買主へ引渡すタイミングで残代金の受け取りと所有権移転登記の手続きを同時に行います。
最後に、マンションの所有者が変わったことを入居者へ知らせるために、賃貸人の地位承継通知を行って終了です。
なお、マンション売却の流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
マンションを売りたい方必見!売却ステップや費用、高く売るためのポイント
経営しているマンションの売却価格はどのように決まる?
投資用マンションの売却価格は、「収益還元法」で決まることが一般的です。収益還元法とは、不動産の純利益を一般的な投資家が期待する利回りで割って売却価格を算出する方法で、以下の計算式を用います。
【収益還元法の計算式】
純収益(NOI)÷利回り(NOI利回り)=不動産価格(収益価格)
純収益は、年間家賃収入から管理費や固定資産税などを差し引いた金額を指します。一方、NOI利回りは投資物件の収益率を示す指標で、景気や立地、築年数などによって変動することが特徴です。
経営しているマンションの売却で発生する税金・費用
ここでは、経営している投資用マンションの売却で発生する主な税金・費用を見ていきましょう。
税金・費用 | 概要 |
---|---|
登録免許税 | ローン残債がある投資用不動産を売却する場合に必要な抵当権抹消登記の手続きにかかる税金。不動産1件につき1,000円。 |
所得税・住民税 | 投資用不動産の売却益に対して、所得税と住民税が課される。 |
印紙税 | 売買契約書などの課税文書に課される税金。契約書に記載される売却価格に応じて税額は異なる。収入印紙を売買契約書に貼付して納める。 |
消費税 (※課税事業者の場合) |
課税売上高1,000万円超の事業者の場合、不動産売却で発生する消費税を納める。課税事業者となる課税売上高の基準期間は、個人事業者が前々年、法人が前々事業年度。 |
仲介手数料 | 投資用マンションの売却を仲介した不動産会社に成功報酬として支払う費用。 |
マンションの売却で発生する費用と手数料、出費を抑える方法について知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
マンションの売却費用と手数料は?出費を抑える方法についても解説!
経営しているマンションを高く売却するコツ
ここからは、経営しているマンションを高く売却するコツを確認していきましょう。
パートナーとして信頼できる不動産会社に相談する
投資用マンションをなるべく良い条件で売却するには、信頼性の高い不動産会社に査定を依頼し、販売活動に取り組んでもらうことが重要です。
例えば地域密着の不動産会社に依頼すると、独自のネットワークを通じて買主を紹介してもらえるでしょう。買主・売主双方へのサポートサービスが充実している不動産会社なら、より安心して取り引きを行えます。
入居率を高めてから売る
所有するマンションの入居率が高い時や満室の時に売り出すと、買主が新たに入居者募集などをせずに済むため、より有利な条件で売却できるようになります。空室がある場合は値引き交渉の材料にされるケースがあるので、注意しましょう。
すぐに売却する予定がないなら、不動産会社に賃貸管理について相談してみるのも手です。集客改善につながるサポートサービスを利用し、入居率を高めてから売り出せば不動産投資における出口戦略をより成功させやすくなります。
まとめ
マンション経営における売却に適したタイミングとしては、価格相場が上昇している時や大規模修繕の前後、金利が低い時などが挙げられます。投資用マンションの売却を成功させるためにも、事前に売却の流れや売却するコツを押さえておきましょう。
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記事の監修者:一誠商事編集部
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