土地の贈与時の税金(贈与税)はいくら?課税・計算方法や節税のポイント

「マイホームを建てるために親から土地を譲り受けたい」と、考えている方もいるかもしれません。たとえ親子間でも、土地の贈与時には税金が発生する場合があります。
この記事では、土地の贈与時に発生する「贈与税」の概要や、課税方法、計算方法などを解説します。併せて、土地の贈与税を節税するためのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

土地の贈与時に発生する税金「贈与税」とは?

贈与税とは、個人から贈与により財産を取得した時にかかる税金のことです。例えば、子どもが親から無償で土地を譲り受けた際には、子どもに贈与税が課税されます。

「贈与」という行為は、贈与者(贈与する側)が生きているうちに、贈与者と受贈者(譲り受ける側)の双方が合意することで成立します。

なお、「みなし贈与」と判断されるケースもあるため、注意が必要です。みなし贈与について詳しくは、以下の記事で解説しています。

みなし贈与とは?不動産の親族間売買など注意すべきケースや対策を解説

参考:No.4402 贈与税がかかる場合|国税庁

土地の贈与税がかかるケース例

土地の贈与税がかかるケース例

土地の贈与税が発生する代表的なケースは、以下のとおりです。

  • 無償で土地の名義を変更した時
  • 極端に安い価格で土地を譲り受けた時
  • 土地の共有持分が変わった時

無償で土地を譲り受け、名義変更(所有権移転登記)をした際には、贈与税が発生します。

また、無償ではなくても、著しく低い値段で土地を取引した場合には、土地の時価と支払額との差額分が贈与税の対象となる可能性があります。

そのほか、複数人で共有している土地の持分を無償で変更した時には、持分の増加分に対して贈与税がかかる場合があるため、注意が必要です。

土地の名義変更や共有持分については、以下の記事で詳しく紹介しています。

親から子へ土地を名義変更する方法|生前贈与・相続時の税金や節税方法も
不動産の共有持分は贈与・放棄できる?贈与税など発生する税金も解説

土地の贈与税に適用される2つの課税方法

土地の贈与税がいくらになるのかは、適用する課税方法によって異なります。

ここでは、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの課税方法について解説します。

暦年課税

贈与税の基本的な課税方法である「暦年課税」とは、1月1日から12月31日までの1年間に、贈与を受けた財産の合計額に応じて課税される制度です。

年間110万円の基礎控除があるため、贈与を受けた財産の合計額が年間110万円以下であれば、贈与税はかかりません。例えば、ある年に200万円を譲り受けた場合、110万円を超えた90万円に対してのみ贈与税が課税されます。

ただし、「土地を毎年110万円ずつ贈与する」といった方法は、登記手続きなどの負担を考えると現実的ではないでしょう。実際には、土地や建物の暦年贈与はあまり行われない傾向です。

参考:No.4402 贈与税がかかる場合|国税庁

相続時精算課税

「相続時精算課税」とは、生前に受けた贈与財産を相続時に相続財産へ加算し、相続税として精算する制度です。

原則として60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫に対して贈与が行われた場合に利用できます。制度を利用する際には、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。

相続時精算課税では、年間110万円の基礎控除に加えて、累計2,500万円までの特別控除を受けることが可能です。

参考:No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁

土地の贈与税の計算方法

土地の贈与税の計算方法

土地を贈与する際にかかる税金を考えるうえでは、決まった方法で土地の価値(評価額)を算出する必要があります。

ここでは、「路線価方式」と「倍率方式」の2つの算出方法を解説します。

路線価方式

路線価が定められている地域の土地は、路線価方式で評価額を求めます。具体的な計算式は、「路線価(土地の形状に応じて補正)×土地の面積」です。

路線価とは、道路(路線)に面した1平方メートル当たりの土地の価格のことです。国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を見ると、具体的な金額がわかります。

参考:No.4602 土地家屋の評価|国税庁
参考:財産評価基準書 路線価図・評価倍率表|国税庁

倍率方式

路線価が定められていない地域の土地は、倍率方式で評価額を求めます。具体的な計算式は、「一定の倍率×土地の固定資産税評価額」です。

倍率は、路線価方式と同様に「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」から調べられます。また、固定資産税評価額は、固定資産税の課税明細書に記載されています。

参考:No.4602 土地家屋の評価|国税庁
参考:財産評価基準書 路線価図・評価倍率表|国税庁

土地の贈与税を節税するには?

最後に、土地の贈与税を節税する方法を紹介します。

親の土地の一部を無償で借りる

親から土地を譲り受けるのではなく、一部を無償で借りる場合は、贈与税がかかりません。

相手が親であれば、通常は土地を借りる際に発生する地代や権利金も請求されないのが一般的です。このように、地代や権利金を支払うことなく、土地の貸し借りをすることを「使用貸借」といいます。

参考:No.4552 親の土地に子供が家を建てたとき|国税庁

相続時精算課税の控除枠を活用する

前述のとおり、相続時精算課税には「110万円の基礎控除」と「2,500万円の特別控除」があります。土地の評価額がそれらの控除額の範囲内であれば、贈与時に贈与税は発生しません。

そのため、土地の評価額が控除額を超える場合でも、複数の受贈者へ分けて贈与することで、各受贈者が相続時精算課税の控除を活用できる場合があります。

ただし、相続が発生した際には、年間110万円の基礎控除額を超える贈与財産が相続財産に加算され、相続税の計算対象となる点に注意が必要です。

贈与税の配偶者控除を受ける

夫婦間での土地の贈与の場合は、贈与税の配偶者控除(いわゆる「おしどり贈与」)の対象になる可能性があります。具体的な条件は、以下のとおりです。

  • 婚姻期間が20年以上の夫婦間であること
  • 居住用の不動産(土地や建物)または居住用の不動産の購入資金を贈与すること
  • 贈与を受けた翌年の3月15日までにその不動産に住み始め、今後も住み続ける予定であること

贈与税の申告をすることで、110万円の基礎控除に加え、2,000万円までの配偶者控除を受けられます。

参考:No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|国税庁

まとめ

土地の贈与時の税金(贈与税)がいくらになるのかは、「暦年課税」と「相続時精算課税」のどちらの適用を受けるかによって異なります。また、土地の価値(評価額)は、「路線価方式」または「倍率方式」によって算出します。ケースによっては、適切な方法で贈与税を節税することも可能です。

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記事の監修者:一誠商事編集部

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