不動産投資を始める際、資金調達の手段としてローンの利用を検討する方は多いでしょう。ローンの審査に通過して融資を受けられれば、不動産投資を効率的に行えるようになります。
この記事では、不動産投資用のローンの概要や活用するメリット、ローンの審査に通るためのポイントを紹介します。
不動産投資のやり方|物件購入・管理運用・確定申告の流れを紹介
目次
不動産投資用のローンとは
不動産投資用のローンとは、投資物件の購入時に利用できるローンです。金融機関によって、「不動産投資ローン」「投資用不動産ローン」「アパート・マンションローン」など商品名は異なります。
不動産投資用のローンの審査に通れば、家賃収入を得るためのアパートやマンションなどを購入する際に、かかる費用の一部または全部を融資してもらえます。
なお、不動産を購入するためのローンには「住宅ローン」もありますが、住宅ローンは投資目的では使えません。住宅ローンは、自分や自分の家族が暮らすための物件が対象です。
不動産投資用のローンと住宅ローンの違いについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
不動産投資ローンと住宅ローンの7つの違い!2つのローンを併用する際の注意点も
不動産投資用のローンを活用するメリット
ここでは、不動産投資を始める際にローンを利用するメリットを解説します。
不動産投資をスムーズに始められる
不動産投資目的でアパートやマンションなどを購入する際には、多額の資金が必要です。仮に一棟単位で物件を購入するなら、数億円規模になることも珍しくありません。
そのため、投資物件の購入費用を賄えるだけの自己資金を用意するには、長い年月がかかるでしょう。条件の良い物件を見つけても、お金が貯まるのを待っていては別の投資家に購入されてしまう可能性もあります。
一方で、不動産投資用のローンを活用できれば、「不動産投資を始めたいと思った時」「条件の良い物件を見つけた時」に、すぐに投資物件を購入して運用可能です。
レバレッジ効果を得られる
投資における「レバレッジ効果」とは、少ない資金で多くの利益を得ることを意味します。
例えば、自己資金のみでは500万円の物件しか購入できない場合でも、不動産投資用のローンを活用することで、5,000万円の物件を購入できるようになるケースがあります。
高額な投資物件を購入でき、自己資金のみでは期待できなかった投資効果を得られるのが、不動産投資用のローンを活用する大きなメリットです。
自己資金を手もとに残せる
不動産投資では、税金をはじめとするランニングコストに加え、物件の修繕費などの予期せぬ出費が発生することがあります。自己資金をすべて物件購入費用に充ててしまったら、そうした支出に対応できません。
そのため、不動産投資を始める前にはきちんとした資金計画を立てておきましょう。そのうえで不動産投資用のローンを組み、まとまった自己資金を手もとに残しておくといざという時の安心につながります。
不動産投資におけるランニングコストについては、以下の記事で解説しています。
不動産投資のランニングコストはいくら?コストを抑えるコツ6選と注意点も解説
不動産投資用のローンは借り換えできる?
不動産投資用のローンを借り入れて実際に投資物件を購入し、しばらく運用したあとで「より条件の良いローンに借り換えたい」と考えることがあるでしょう。
金融機関によっては、一定の条件を満たしている場合に不動産投資用のローンの借り換えに対応しているところがあります。現在よりも低い金利で新たな不動産投資用のローンを借りられれば、総返済額を数百万円以上減らせるかもしれません。返済期間を短縮できる可能性もあります。
なお、ローンを借り換える際には、新たな金融機関からの融資で当初契約していた金融機関に一括返済するのが一般的です。手数料なども発生するため、借り換えは慎重に検討しましょう。
不動産投資用のローンの金利について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
不動産投資用のローンの審査に通るためのポイント
不動産投資用のローンの審査は、住宅ローンよりも厳しい傾向にあります。審査に通るためにも、事前にポイントを把握しておきましょう。
審査項目を理解しておく
不動産投資用のローン審査に通過するには、何をチェックされるのかの把握が重要です。不動産投資用のローンの主な審査項目として、以下が挙げられます。
<本人に関する審査項目>
- 年齢(完済時年齢)
- 年収
- 勤務先
- 勤続年数
- 資産状況
- 不動産投資の実績
- 既存の借り入れ状況
<物件に関する審査項目>
- 収益性(利回り・空室リスク)
上記のように、不動産投資用のローンを利用する時には契約者本人と購入予定の物件の両面から総合的に審査されます。
金融機関によるものの、年収の一般的な基準は700万円以上です。ただし年収要件を満たしていなくても、資産状況などほかの条件をクリアしていれば融資を受けられる可能性があります。勤続年数は、少なくとも2~3年以上を求める金融機関が多いでしょう。また、不動産投資の成功実績がある場合は、審査に有利になると考えられます。
物件の収益性については、次項で解説します。
マンション投資における「不動産投資ローン」とは?主な審査項目や審査に通るコツも解説
賃貸経営の利回りとは?種類別の計算方法や、高い利回りを得るコツなども解説
収益性の高い物件を選ぶ
不動産投資用のローンを利用して投資物件を購入した場合、その不動産には金融機関の抵当権が設定されます。抵当権とは、いわば担保のことです。ローン利用者が万一返済不能に陥った時、金融機関は抵当権を設定している不動産を競売にかけて強制的に売却し、その売却金額から債権を回収します。そのため、不動産投資用のローン審査を受ける時には、購入予定の投資物件の収益性の高さ(担保価値の高さ)を厳しくチェックされます。
具体的には、立地が良く築年数が浅い物件ほど、安定した家賃収入を得られてリスクが少ないと評価されやすいでしょう。物件の管理状況や周辺エリアの賃貸需要の有無も、重要な審査ポイントです。
ローンの審査に通りたいなら、駅からの近さや生活利便性などの観点からエリアを見直したり、築浅でコンディションの良い物件を検討したりする必要があります。
不動産投資用の物件の選び方については、以下の記事も併せてご覧ください。
不動産投資物件の選び方のポイントは3つ!物件選びの具体的な流れも解説
自己資金比率を高める
不動産投資では、一般的に「物件価格の15~30%」以上の自己資金が必要とされています。このうち「物件価格の10~20%」は、不動産投資用のローンの頭金に充てる金額の目安です。
頭金を十分に用意できれば、ローンの自己資金比率を高められて借入金額が減ります。金融機関側も貸し倒れのリスクを軽減できるため、より審査に通りやすくなります。
なお、頭金がなくても、投資物件の購入費用の全額を不動産投資用のローンでまかなうことは可能です。これを「フルローン」と呼びます。ただし、年収や資産状況などがよほどの高属性でない限り、フルローンの利用は難しいと考えておいたほうがよいでしょう。
不動産投資の自己資金の目安はいくら?金額別の物件例や資金を抑える方法も解説
アパート経営の頭金とは?用意するメリットや目安額、頭金なしのリスクを解説
信頼できる不動産会社に相談する
不動産投資用のローン審査を有利に進め、その後の運用も安定して続けていくためには、信頼できる不動産会社に相談して適切な物件を見つけることが大切です。
実績が豊富な不動産会社なら、物件選びのほか、用意すべき自己資金やおすすめの金融機関などもケースごとにアドバイスしてくれます。
不動産会社への相談は、ローンの借り換えを検討している方にもおすすめです。不動産投資を始める際のパートナー会社の選び方について詳しくは、以下の記事で解説しています。
まとめ
投資目的でアパートやマンションなどの投資物件を購入する際には、不動産投資用のローンを活用できます。融資を受けられれば、一定の自己資金を手もとに残したうえで、不動産投資をスムーズに始めることが可能です。レバレッジ効果も期待できるでしょう。
ただし、不動産投資用のローンの審査は厳しい傾向です。ローンを組んで不動産投資を始めたいのなら、収益性に優れた物件を選ぶことや、自己資金比率を高めることなどを心がけましょう。
地域密着型の不動産会社である一誠商事では、不動産投資を始めたい方や実際に行っている方へ向けて、豊富なノウハウと実績をもとに総合的なコンサルティングサービスを提供しています。条件に沿う物件の紹介やローンに関するお困りごとなど、不動産投資を始めるにあたって疑問やお悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
不動産投資に不安がある方も初めての方も
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当社では、総合的な不動産投資コンサルティングを承っております。
不動産の収支改善のご相談やローンの見直しなどはもちろん、
賃貸管理・確定申告などまで幅広くご相談いただけます。


記事の監修者:一誠商事編集部
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