不動産を高値で売却できるタイミングはある?注意点についても解説!

「不動産を売却するなら、少しでも高く売却したい」と誰もが思いますよね。
不動産の価格は経済動向や需要と大きな関係があるため、高値で売却しやすいタイミングというのがあります。
さらに、所有年数によって譲渡所得にかかる税金が安くなることや、住宅ローン控除を受けられる期間があるので、タイミングを見極めることも重要です。
今回は、不動産を高値で売却できる時期と、損をしないポイントについて説明します。

不動産を高く売却できるおすすめの時期を6つ紹介

不動産を所有している場合、建物自体の価格は築年数が経過するにつれて下がっていきますが、土地の価格や金利はさまざまな要因によって変動します。
ここでは、いくつかの判断基準をもとに、不動産が高値で売却しやすいおすすめ時期を6つ紹介します。

①築年数が浅いうちに売却する

一般的に不動産は、築30年までは築年数が浅ければ浅いほど売却価格が高く、築30年を超えると横ばいになる傾向が見られます。
また、築15年を超えると備え付け設備のトラブルが増えることが指摘されています。
不動産を購入後、すぐに修繕費がかかるのを嫌がる買主も多いため、それも考慮の上売却を検討すると良いでしょう。

②不動産取引が活発になる1〜3月に売却する

東日本不動産流通機構のデータによると、首都圏の中古マンション成約件数は、2018年から2021年に至るまで、1~3月の成約件数が最も多いことが分かります。

1~3月 4~6月 7~9月 10~12月
2018年 9,884 9,339 8,686 9,308
2019年 10,268 9,679 9,406 8,756
2020年 10,071 6,428 9,537 9,759
2021年 11,295 9,987 8,793 9,737

<参照元:東日本不動産流通機構「Market Watch サマリーレポート 2018年1月期2022年1月期
4月からの新年度に合わせて引っ越しをする人や、子どもの進級や進学といった新生活に備えて不動産を購入する人が多く、不動産の需要が高くなることが要因として挙げられます。
2020年のデータに関しては、春頃からコロナウイルスが本格的に流行し始めたことで例年と異なったデータになっていますが、7月〜9月は成約件数が落ち込む傾向にあります。
そのため、成約件数が少ない7~9月は避け、最も多い1~3月に売却するのがおすすめです。

③金利が低い時期に売却する

金利が低いときは、金利が高いときに比べてローンの返済総額が安くなるため、不動産を購入しようとする人が多くなり、需要が高まります。
需要が高まると不動産価格も上がるので、高い金額で売却がしやすくなります。。
例えば、3,000万円の35年ローンを組んだ場合は、金利が1%違うだけで返済総額が617万円も変わってきます。
これを毎月の返済額で考えるとひと月あたり15,000円も変わるため、大きな差があると言えるでしょう。
また、低金利のときは「今後金利が高くなってしまうかもしれないので、今のうちに買っておいたほうが良いのかもしれない」という不安から、不動産購入を検討している人の購買意欲が高まります。
そのため、金利が低いうちに売りに出すのがポイントです。

④土地の価格が上昇しているときに売却する

土地の価格が上昇しているときは、相対的に不動産価格も上昇します。
土地の価格は金利と連動します。金利が安くなるとローンの返済総額も安くなり、購買意欲が高まるため、土地の値段も上昇します。
反対に、金利が高くなるとローンの返済総額も高くなり、購買意欲が低下するため、土地の値段も下落します。
土地の価格が下がるということは、相対的に売値も下がるため注意が必要です。
また、売却する不動産がある地域が再開発される場合は、日本経済の値動きとは関係なく、土地の価格が一気に高騰することがあります。
再開発とは、市街地再開発事業と言われ、より安全で住みやすい魅力的な街づくりをするために既存の市街地の再整備を行うことを指します。
再開発が行われると、交通利便性や商業施設が充実などの生活利便性が高まるだけでなく、防災整備も進み、より安全で快適な生活が送れるようになります。
すると居住希望者が増加するため、地域のブランド価値と需要が高まり、土地の価格も上昇します。
そのため、再開発後に売却すると、再開発前の不動産価格よりも高値での売却が可能になります。
ほかにも、オリンピックや万博といった大規模イベントが開催される場合も、周辺の土地や不動産価格が上昇する場合があります。
ただし、イベント開催と同時に不動産の売却価格が下落するリスクがあるため、イベントの開催前に売却できるようなスケジュールを組みましょう。
不動産売却を考える際は、周辺地域の再開発や大規模イベントの予定を確認した上で売却のタイミングを考えてみると、思わぬ高値で売却ができることもあるかもしれません。

⑤税金が安くなる時期に売却する

不動産の所有期間が5年を超えると譲渡所得にかかる税率が安くなります。
売却タイミングが違うだけで税率が20%も違ってくる場合もあるため、不動産売却で損をしないためにも、下記の表を参考にし、譲渡所得にかかる税金を確認しておきましょう。

所得期間 所得税(※1) 住民税 税率合計
5年以下 30.63% 9% 39.63%
5年超え 15.315% 5% 20.315%

(※1)上表の所得税は復興特別所得税を加味した税率。
【参照元:国税庁ホームページ
このように、不動産の所有期間が5年超えになると税率が約半分安くなります。
もし、売却したいと思っている不動産の所有年数が4年以上の場合などは、5年経つのを待ってみても良いでしょう。
なお、所有期間が5年を超えているかどうかは、売却する年の1月1日時点で判断されるため、この点については注意が必要です。

⑥買主が住宅ローン控除が受けられる間に売却する

本来、2021年12月31日に終了する予定だった住宅ローン控除ですが、2022年の税制改正によって、住宅ローン控除を利用できる期間が2025年までとなり、4年間延長されました。
住宅ローン控除とは、購入価格の一定割合を所得税から税額控除できる制度で、年末の住宅ローン残高の1%が控除される制度です。
住宅ローン控除については、前回の不動産お役立ちコラム VOL. 39「マイホーム(居住用財産)を売却した時の3つの特例路は?適用要件についても紹介!」の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

不動産を売却するタイミングを考える際に注意することは?

ここまでは、不動産を高く売却するのにおすすめのタイミングについて解説してきました。
ただし、不動産を売却するタイミングを考える際には、いくつか気をつけなければならない点があります。
ここでは、4つの注意点について説明をします。

①売却時期に迷ったら都合や事情を最優先に考える

そもそも、不動産の売却を検討するということは、何かしらの事情があるはずです。
例えば、家族構成の変化や転勤、進学といったライフスタイルの変化などがあります。
もちろんポジティブな理由だけではないでしょう。離婚や住宅ローンの返済が難しくなった、という理由での不動産売却も決して珍しいことではありません。
その上で、売却を完了しなければならない期限、つまり、不動産をいつまでに現金化しなければならないのかを考えることが重要です。
買い替えるという理由で売却する場合、先に新居を購入し、転居した後に現在の住まいを売却するのであれば、高値で売却しやすい時期を売却のタイミングと設定すると良いでしょう。
しかし、売却資金を新居の購入資金に充てる場合には、新居の引渡しと決済時期までに、現在の住まいの売却手続きを完了する必要が生じます。
そのため、必ず売却を完了したい時期がある場合には、「高値で売却しやすい時期」よりも「事情に合わせたタイミング」で売却することをおすすめします。

②転居したいタイミングの6ヶ月前に動き出す

一般的に不動産の売却には3ヶ月〜6ヶ月程度かかるといわれています。
時間に余裕をもって売り出さないと、売却したい時期に間に合わず、結果的に売却価格を相場よりも安く設定しなければならないこともあります。
そうなると、結果的に損をしてしまうので注意が必要です。
反対に余裕を持って売却スケジュールを組んでいれば、最初は相場よりもやや高めに金額を設定し、売れなければ少しずつ値下げをして様子を見ることもできます。
それによって、できる限り高い価格での売却を目指すことも可能になるのです。
不動産売却は高額な取引になるため、あらかじめ計画を立てておくことが重要です。
1年のうち、売却価格が高くなる1~3月に売却をしたいのであれば、遅くとも12月くらいには売却準備をしましょう。

③空き家期間が長い場合はできるだけ早く売却する

不動産売却で得た利益には、譲渡所得税という税金がかかります。
しかし、マイホームを売却する際に譲渡所得を3,000万円分控除する特例を利用することができるのです。
現在も住んでいる家を売るのであれば、気にしなくても良いですが、空き家になっているのであれば、住まなくなってから3年目の12月31日までにその不動産を売却しないと、3,000万円控除を利用できないためできるだけ早めに売却をしましょう。
3,000万円特別控除の特例については、前回の不動産お役立ちコラム VOL. 39「マイホーム(居住用財産)を売却した時の3つの特例路は?適用要件についても紹介!」の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

④時間がないときは買取も検討する

もしも、売却のスケジュールが迫っており、とにかく時間がない場合は、買取も検討してみましょう。
買取では、不動産会社が購入者になります。通常価格の2〜3割程度低い価格での買取にはなってしまいますが、広告を出して買主を探す手間がない分、スピーディーに売買が成立します。
早ければ1週間、遅くても1ヶ月ほどで契約が成立するため、売却スケジュールが迫っている時には有効な手段です。

まとめ

不動産には不動産の需要が高まる時期や経済状況によって、高値で売却しやすいタイミングというものがあります。
1年のうち最も成約数が多いのは1〜3月なので、その時期に合わせて売却スケジュールを組むのがおすすめです。
ただし、不動産の売却理由は様々あるため、その時期に売却が難しい場合は無理に合わせることなく、ご家庭の事情を考慮したり、買取を検討したりするのが良いでしょう。
一誠商事では、お客様のご都合に合わせた最適な売却スケジュールのご提案をさせていただきます。
また、買取のご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

ISSEI

記事の監修者:一誠商事編集部

一誠商事株式会社が運営する情報サイト編集部。

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