斜面・傾斜地の土地活用方法!メリット・デメリットやポイントを解説

斜面・傾斜地の土地活用方法!メリット・デメリットやポイントを解説

所有している、あるいは購入予定の土地が斜めに傾いており、活用方法に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。傾斜地は平らな土地と比べて建築や造成に工夫が必要になるものの、土地の形状や立地に合わせた方法を選べば、十分に有効活用することが可能です。

この記事では、「斜面」の定義や傾斜地におすすめの土地活用方法を紹介します。併せて、傾斜地を活用するメリット・デメリットやポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

そもそも「斜面」とは?法律・条例上の定義

斜めに傾いている土地は、一般的に「斜面」や「傾斜地」と呼ばれます。

しかし、これらの用語は建築基準法で正式に定義されているわけではありません。建築基準法では斜面に関連する概念として「がけ」という言葉が用いられており、次のように規定されています。

“建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。”

引用:建築基準法第19条第4項|e-Gov法令検索

条文からわかるとおり、どの程度の傾斜があれば「がけ」に該当するのかといった具体的な基準までは示されていません。

ただし、多くの自治体では建築基準条例(がけ条例)により、一定の高さがあって傾斜が「30度」を超えている土地を「がけ」として扱い、建築に際しての規制を設けています。そのため、斜面・傾斜地のなかでも傾斜が30度を超えている土地は、一般的にがけ地(がけ)として扱われる可能性があります。

斜面・傾斜地の土地活用方法4選

斜面・傾斜地の土地活用方法4選

ここでは、斜面や傾斜地でも検討できる代表的な土地活用方法を4つ紹介します。土地の傾きや立地条件によって適した活用方法は異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで検討することが大切です。

土地の活用方法についてさらに知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

空いている土地で収入アップ!土地活用アイデア6選と成功させるポイント

賃貸アパート・マンション経営

斜面や傾斜地に賃貸アパート・賃貸マンションを建築し、家賃収入を得る活用方法です。土地の傾斜に合わせて階段状の建物を建てると上下階の部屋が重なりにくくなり、各部屋の日当たりを確保しやすいメリットがあります。

また、階段状の建物はデザイン性が高く、入居者へのアピールポイントにもつながるでしょう。

ただし、斜面や傾斜地にアパートやマンションを建てる場合、擁壁工事や地盤補強などの造成工事が必要になることが多く、平坦な土地よりも建築費用が高くなる傾向にある点に注意しましょう。

なお、一般的な賃貸アパート・マンション経営については、以下の各記事で解説していますので、併せて参考にしてください。

アパート経営の始め方|4つの方法や具体的な流れ、成功させるポイントも解説
【基礎知識】マンションの賃貸経営のメリット・初期費用・流れ・リスクなどを詳しく解説

戸建て賃貸経営

戸建て住宅を建てて賃貸物件として貸し出す戸建て賃貸経営も、斜面や傾斜地で検討しやすい土地活用方法の一つです。アパートやマンションと比べて建物の規模が小さいため、造成工事や地盤改良にかける費用を抑えやすい点が特徴です。

斜面や傾斜地に戸建て住宅を建てる場合は、土地の高低差を活かした次のような設計が採用されることがあります。

地下室設置型 傾斜によって生じる土地の高低差を利用し、地下室を設ける手法。地下室は収納やワークスペース、趣味の部屋などとして活用できる。
ピロティ型 建物の1階部分を柱だけで支える構造とし、2階以上の階を住居スペースとして利用する建築形式。1階部分は駐車場や共用スペースなどとして利用できる。ただし、設計によっては耐震性能の確保が難しくなるため、ピロティ型の建築を禁止している自治体もある。
高基礎型 土地の傾斜による高低差をカバーするため、建物の基礎部分を高く設計する手法。基礎部分に生まれる空間は、雨水排水設備や電気設備などの設備スペースとして利用されることがある。

このような建築手法も踏まえながら土地の特性を活かし、入居ターゲットとなるファミリー層のニーズを意識した間取りにすることがポイントです。

なお、一般的な戸建て賃貸経営については、以下の記事で解説しています。

【一戸建ての賃貸経営】メリット・デメリットやパターン別のポイント

太陽光発電設備経営

斜面や傾斜地に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を電力会社に売却して収入を得る土地活用方法です。賃貸経営のように入居者を募集する必要がないため、人が住みにくい立地でも活用しやすい特徴があります。

太陽光パネルは発電効率を高めるべく、通常は太陽光を効率良く受けられるよう一定の角度を付けて設置します。その点、日当たりの良い斜面や傾斜地なら、土地の傾きを活かしてパネルを設置しやすい点がメリットです。角度を付けるための架台が不要となるケースでは、設置費用も抑えられるでしょう。

貸しギャラリー経営

観光地や別荘地など、人の往来があるエリアに立地している場合は、斜面や傾斜地を活かして貸しギャラリーを運営する選択肢もあります。

貸しギャラリーとは、展示やイベントなどに利用できるスペースを整備し、アーティストや団体に貸し出して収益を得る土地活用方法です。建物を建ててスペースを用意することで、美術作品の展示会やワークショップ、演奏会、写真展など、さまざまな用途で利用してもらえます。利用者からは時間単位、あるいは日単位で使用料を受け取る仕組みで、イベントや展示の開催に応じて収益を得られる点が特徴です。

ただし、一定の展示スペースが必要となるため、比較的広めの土地に向いている活用方法といえるでしょう。狭い土地を活用したい方は、以下の記事も参考にしてください。

狭い土地の有効活用方法7選!狭小地の特徴や活用のメリットも紹介

斜面・傾斜地の土地を活用するメリット・デメリット

ここでは、斜面や傾斜地を活用する際の主なメリット・デメリットを解説します。

斜面・傾斜地の土地を活用するメリット

斜面や傾斜地に建物を建てる場合、周囲の建物よりも高さを確保しやすく、日当たりや眺望、風通しを確保しやすいメリットがあります。特に賃貸経営においては、こうした住環境の良さが物件の魅力につながり、入居者を確保しやすくなるでしょう。

また、前述した地下室設置型の建物を採用する場合は、建物の利用可能な空間を広げやすい点もメリットです。建築基準法では、一定の要件を満たした地下室は建物全体の延床面積の3分の1を上限に容積率の計算から除外できると規定されています。そのため、同じ敷地面積でも、実際に使える居住空間を広げられる可能性があります。

斜面・傾斜地の土地を活用するデメリット

斜面や傾斜地は、平坦な土地に比べて造成工事や地盤改良工事に費用がかかりやすい点に注意が必要です。

土地の管理不足によって地滑りや土砂崩れなどが発生し、入居者や近隣住民に被害を与えた場合には、損害賠償責任を負う可能性もあります。費用がかかるからといって、安全対策を怠ることはできません。

また、将来的に物件や土地を売却する際には、斜面や傾斜地であることを理由に市場評価が低くなる可能性もあります。平坦な土地と比べて建築難度が高いために購入希望者が限られ、売却までに時間がかかったり、売却価格が下がったりする恐れも否めません。

斜面・傾斜地を活用する際のポイント

斜面・傾斜地を活用する際のポイント

斜面や傾斜地の活用を検討する際は、まずその土地のあるエリアが「急傾斜地崩壊危険区域」に指定されていないかを確認することが重要です。急傾斜地崩壊危険区域とは土砂災害による被害を防ぐために都道府県が指定するエリアのことで、一般的には次のような条件を満たす土地が対象です。

  • 傾斜度が30度以上で崩壊する恐れがあり、人的被害が懸念される土地
  • 急傾斜地に隣接し、崩壊を防ぐために一定の行為制限を受ける土地

土地が急傾斜地崩壊危険区域に指定されている場合、建物の建築や土地の造成、開発行為などに制限がかかる可能性があります。

また、斜面や傾斜地の崩壊を防ぐために、コンクリートブロックなどでできた「擁壁」がすでに設置されているかもしれません。擁壁の劣化が進んでいると、いずれ壊れるリスクがあります。建物を建てる前には擁壁が設置された時期や現在の状態などを確認し、必要に応じて補修や改修工事を行いましょう。

参考:急傾斜地崩壊危険区域の解説|国土交通省

まとめ

斜面や傾斜地の主な活用方法には、賃貸経営や太陽光発電設備の設置、貸しギャラリーの運営などがあります。特に賃貸経営においては、日当たりや景観の良さという斜面ならではの特性を活かすことで、ほかの物件との差別化を図れます。

ただし、地盤対策や災害リスク、擁壁の安全性など、平坦な土地を活用する時と比べて注意すべき点が多いのも事実です。そのため、斜面や傾斜地の活用を検討しているなら、まずは専門家に相談することをおすすめします。

地域密着型の不動産会社である一誠商事では、土地活用に関する幅広いご相談を受け付けています。土地の状況やご希望に合わせ、最適な活用方法をご提案しますので、斜面や傾斜地の活用にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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記事の監修者:一誠商事編集部

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