マンション？一戸建て？迷ってるけどどうやって決めたらいい？　その２

そうじゃな。家の間取りや設備などに目が行ってしまうが、そういったことにとらわれずに広い目でマンションがよいか、一戸建てがよいかを考えてみたいぞ。
次のような点をみてみよう。

• 立地

おおまかにマンションは駅に近い立地が多く、一戸建てはマンションに比べるとやや駅から遠い立地にあることが少なくない。もちろん、個別の物件によって差はあるからあくまでも、全体的な違いじゃよ

駅に近ければ通勤や通学の利便性は高くなる。電車を使う人はマンションが便利じゃな。雨が降っても歩く距離は短くなるからびしょ濡れになることも少ないじゃろ。一方で、駅から少し離れている一戸建ては、静かな周辺環境が期待できるんじゃ。通勤などで車を使うなら、そのまま会社帰りに買い物にも行ける。駅からの距離は全く気にならんじゃろ。

そうじゃな。あくまでも全体で見たときの話じゃよ。続けるぞ。

• 購入後の費用

住まいは買ってローンを払っていけば終わり、ではないぞ。マンションであれば、管理費や修繕積立金が毎月必要じゃ。十数年に一度、廊下や外壁、屋上などを修理する大規模修繕工事があるからじゃよ。ここで多額のお金が必要になるから、毎月みんなで貯蓄していくんじゃ。車を使うなら、駐車場代も必要じゃな。じゃから、マンションを買いたいと思うなら、ローン金額だけで資金計画を立てるのは避けたいぞ。

一方で、一戸建てであれば、管理費は不要じゃ。ただし、家の外壁などの修繕は自分で準備することになる。一時的に多額の出費になるが、やはり十数年に一度は工事をしたほうが長持ちはするじゃろ。そこで自分で毎月、住宅修繕費として貯蓄しておくほうが、いざというときには安心じゃ。また、駐車場代は不要なことが多いのが一戸建てのメリットじゃよ。

あと、マンションでも一戸建てでも購入後は、固定資産税などがかかることを忘れずにな。資金計画を立てる際には頭に入れておきたい。

まだ考えたいことがあるぞ。購入したら長く暮らすものじゃからな。

• リフォーム・増改築

子どもが増えたり、親と同居したりするなどして暮らしが変わることがあるじゃろ。そうなるとリフォームや増改築を考えるかもしれん。一戸建ては、マンションと比べればリフォームや増改築がしやすい。もちろん構造などでできないプランもあるが、自由にできる場合が多い。

一方で、マンションは上下左右に人が暮らしているから、室内のリフォームをするといっても、制限があるぞ。管理規約という住む人みんなが守るルールにリフォームの内容が定められていることが少なくないからじゃ。工事をする前に、近隣住戸の承認が必要な場合もある。ただし、よほどのプランや工事の方法でなければ、マンションのリフォームに制限がかかるということはないから、手順を踏んできっちりやろう。なお、一戸建てでも、増改築の際には、音が出るなど迷惑がかかるので、近隣への挨拶は必要じゃよ。

隣接住戸への配慮やルールに縛られなくて済む、という意味ではそうじゃな。じゃが、一戸建てのリフォームの理由として多い室内のバリアフリーは、マンションでは最初から満たされていることが多い。そして、今回はもう一つ教えよう。将来の資産価値じゃ。

• 将来の資産価値

資産価値といっても、いろいろな面があろう。ここで考えたいのは、築年数がたったときにどのくらいの価格で売れるか、ということじゃ。

これも一般論になってしまうが、通常は建物の価値は年数がたつたびに減少していくので、土地がある一戸建ては資産価値があるといえるじゃろ。反対にマンションでは、土地の持分が少ないため、土地の価値分は少ないといえる。

ただし、大切なのは、年数がたっても次に欲しいと思う人がいるかどうかじゃ。昨今では、空き家が増えて社会問題にもなっておる。じゃが一方で、中古でも、多くの人が住みたいと思うマンションや一戸建てがある。そして、実際に分譲時とあまり変わらない価格で売れている住宅があるぞ。これらに共通するのは、立地や敷地の広さ、周辺環境に加え、建物のメンテナンスという条件があろう。

購入時には、検討しているその一戸建てやマンションが、「年数がたっても欲しいと思う人がいるかどうか」で考えてみるんじゃよ。